キーワード集②

 

創業融資にかかわらず、融資全般において固定金利タイプと変動金利タイプがありますが現在の日本の経済状況などから、金利が急上昇するということは考えにくく、金利の低い変動金利を使用した融資が多く見られます。そこで変動金利の基準となる「短プラ」や「TIBOR」についてご紹介します。

~金利~

・固定金利:字のごとく、金利が変動しないタイプの融資ですが、固定金利も全期間固定型と一定期間固定型があります。固定金利の場合返済利息があらかじめ確定しているので資金計画を立てやすかったり、金利上昇によるリスクを軽減することができますが一般に固定金利は変動金利よりも高く設定されています。

 

・変動金利:こちらも字のごとく、借入期間中の市場の金利水準などの変動に連動して金利が変動するタイプの融資です。見直しは半年ごとが多く、またベースとなる金利は後述の短期プライムレートやTIBORといわれるものに、借主の信用リスクや借入の長短を考慮して「TIBOR+0.3%」、「短期プライムレート+0.5%」のように決定します。変動金利は固定金利よりも金利が低いため金利負担は少なくて済みますが一方で、金利が上昇すると利息の負担額が増加するというリスクもあります。

 

・短プラ:「短期プライムレート」の略称で、銀行などが最優良企業(業績や財務状態が良く、回収可能性において全く問題ないと判断される先)に対して短期(1年以内)で融資をする際に適用する最優遇金利のことです。市中の金利水準や銀行の利益を加味して、各金融機関が独自に決定をしていますが、メガバンクや地域の有力地方銀行の水準がある程度基準になっています。平成29年10月現在、1.475%(メガバンクをはじめとする多くの銀行)~1.725%(りそな銀行)となっています。また、短プラレートはあくまで各銀行が足並みを揃えながらも独自に決めているものであり、ここ数年で金融緩和やマイナス金利の影響により市中金利は下がり続けていますが、各銀行の短プラレートの最低値1.475%は平成21年から変わっていません。

 

・TIBOR:「Tokyo Internal Bank Offer Rate」の略称でありタイボーと読みます。東京の銀行間取引金利であり、一般的には指定された有力な大手行が提示する銀行間取引の金利レートを全国銀行協会が集計し発表している全銀協TIBORのことを指します。短プラが預金の受け入れコスト(預金利息)に銀行の収益を上乗せしたレートであるのに対して、TIBORは銀行間の資金融通による資金調達のコスト(市場金利)そのものを意味します。ちなみに国内の融資ではあまり耳にしませんが、LIBOR「London Internal Bank Offer Rate」もあり、TIBORよりも歴史のある指標でしたが、度重なる大手グローバル金融機関の不正操作などにより、2021年に廃止されることになっています。