経営面での相談相手(資金調達)

 中小・零細企業の経営者の方々は起業時のみならず、その後も軌道に乗るまでは資金繰りに苦労しています。そして、1度軌道に乗ったとしても油断はできず、常々資金ショートというリスクを念頭に置いて、経営をなさっている方がほとんどです。

 このように、自分で事業を起こして、会社を大きくしていくぞという情熱と夢に溢れながらも、一方でこのように様々な不安が尽きないのもまた事実です。

 

 そんなとき、信頼のおける相談相手がいるといないとでは、雲泥の差です。事業に関して的確な助言を与えてくれる相談相手というのは、それだけでなく、時に背中を一歩押してくれる心強い味方にもなるかもしれません。

 

 2017年版中小企業白書「創業・企業に関する実態調査」において資金調達に関する相談相手としては、創業期では、家族・親族や自社内の人間が最も多くなっています。次に多いのが、会計士・税理士や経営コンサルタントなど財務や経営の専門家となっています。

 

また創業期を過ぎると、経営者の相談相手としては会計士・税理士や経営コンサルタントなどが最も多くなっています。資金調達という観点でいえば、金融機関の方も知識的な面では心強い相談相手になり、中には本当に親身になって相談に乗ってくれる銀行員の方もいらっしゃいます。一方で、金融機関との関係性はあくまで債務者、債権者の関係であるためどうしても利害が一致しない局面が出てきてしまいますし、お互い都合の悪いことは相手に伝えないようにしてしまいます。

 

そうした観点から、会計士・税理士や経営コンサルタントなどが一番相談しやすいといった結果になっていると思われます。

 

また会計士・税理士や経営コンサルタントのなかでも、創業期から成長期にかけては、税理士が一番、身近な存在ではないかと思います。国税庁によると法人税の確定申告の税理士の関与割合は86、7%前後で推移しており、ほとんどの経営者が税理士と関わりを持っているということになります。

 

昔は税理士と言えば、横柄な態度で偉そう、腰が重く迅速な対応をしてくれないといった不満も多かったそうですが、現在はそういった部分は変わりつつありますし、私自身も究極的には税理士業はサービス業だと思っています。

 

 これから起業を考えている方、もちろん既に事業を行っている方々にも、ぜひとも、税務面はもちろんのこと、プラスアルファで価値を提供してくれるような、ビジネスパートナーとして経営相談ができる税理士を見つけていただきたいなと思っています。