クリニック開業の立地について

クリニックを新規に開設する場合、通常は診療圏調査を行い、立地が選定されます。

診療圏調査では、主に一次診療圏(半径500m以内、徒歩10分以内)、二次診療圏(半径500m~1㎞、徒歩20分以内)、三次診療圏(半径1㎞~2㎞)に分けて、それぞれの診療圏の住民数から潜在的な患者数を予測し、近隣の競合クリニックを踏まえて、来院患者数を割り出すということが行われます。

ただし、それ以外にも、以下の項目が重要になってきます。

①人口構成と推移

②地域特性と将来性

①人口構成と推移

開業予定地は、若年層が多い地域か、高齢者が多い地域かなどをまず検討しなければなりません。というのも、診療科目、ターゲットに合った年齢層の人が多く住んでいるかが集患のために重要になってくるからです。

さらに、今後人口が増える地域であるか、減少する地域であるかについても十分に検討しなければなりません。例えば、再開発地域で今後ファミリーが増えそうな場所であれば、開業を検討すべき地域であるといえます。

人口推移については、その地域の都市計画や、役所ホームページの統計書などで確認することができます。

 

②地域特性と将来性

地域特性とは、その地域が学生街であるか、商業地域であるか、ビジネス街であるか、住宅地であるかなどの特性をいいます。さらに、それを細分化する必要もあります。

例えば、ビジネス街といっても、大都市と地方では大きく医療ニーズがことなることがあり、前者では富裕層が多いことから自由診療のニーズが多く、後者では保険診療のニーズが多いといったことがあるかもしれません。

さらに、それら地域特性の将来性を検討しなければなりません。例えば、学生街であっても今後は少子高齢化の影響により、医療ニーズが変化する可能性があります。

 

以上のように、立地の選定にあたっては、現状のみならず将来的な動向も検討する必要があるといえます。