設備資金 融資

 設備資金は運転資金とは異なり、厳格に用途が決められています。貸出が実行され次第、資金使途に使われた証拠の提出が求められる、もしくはその場で振込させられる、または資金が拘束されるといった具合です。なぜなら、返済期間が長く、金額も大きい設備資金を他の資金用途に流用された場合、特に赤字の補填などに使われた場合、銀行が負うリスクも大きなものとなってしまうからです。同じ理由で、土地や建物に対する融資などには対象物件に対して、融資を実行する銀行を第一順位とする抵当権の設定が条件とされるのが一般的です。

 また設備資金の場合、使用年数が長く、金額も多額であるため、運転資金の返済とは異なり、短期的な売上げを返済原資とすることはできません。よって、例えば設備資金の用途が営業車であり、営業車を3年使用するのであれば、その使用期間である3年を返済期間とするといったように、長期にわたって返済していくことが一般的です。

 

 ちなみに、上記の例で車はその種類によって法定対応年数というものが4~6年で決められているものが多く、法定耐用年数が6年の車を7年使う予定であるから、7年で返済したいということは基本的にはできません。よって返済期間は通常、法定耐用年数以内にする必要があります。

 

 ただし、法定耐用年数以内であれば返済期間が何年でもよいというわけではありません。仮に法定耐用年数が50年の建物を30年使うといった計画の場合でも、実際に返済期間を30年にすることは難しいです。メイド・イン・ジャパンとして一時は世界を股にかけた日本の大手電機メーカーでさえ、倒産の危機にさらされているこのご時世です。銀行側の立場から見れば、30年先にその企業が維持されているなど、見通しを立てることは困難ですし、信頼性も乏しいものとなります。よって、設備資金の偏差期間は10年、長くても15年といったところでしょう(もちろん、例外的にそれ以上の期間で実行される融資もあります。)。