銀行員との付き合い方

銀行の融資窓口に汚れた服装で来店される方よりも、最低限身だしなみを整えてきた方のほうが、また威圧的な態度をとる人よりも、丁寧で実直な話し方をされる方のほうが、相手に与える印象が良くなるのは明白です。こうした姿勢や印象というのは、金融機関の担当者に対して、この人には何とかして融資してあげたいと人間的な感情の部分に訴えかけることができます。

 

というのも、銀行員時代の私自身もそうでしたが、担当者の立場からすると、印象の良い方には融資を実行できるよう力が入りますし、その後も事業を成功させ成長してほしいという思いが生まれます。

また、信用保証協会も表向きは独自に審査を行いますが、銀行と密に連絡を取り合い、審査判断上、銀行の意見も少なからず尊重してくれます。

例えば、これはあまり大きな声では言えませんが、融資の担当をしていたころ、500万円の融資申し込みに対して、正式回答前に保証協会かは保証不可になりそうだという連絡がありました。そこで当時の融資課長から、普段から連絡を取り合っている保証協会の担当者に電話をしてもらい交渉し、300万円までなら保証するということになり、その金額で融資を実行できたというケースもありました。

こういったケースはまれですが、私自身もそのお客様の印象が良くなければここまでしていなかったと思います。このように、皆様の印象というのは、過去の実績がない以上、判断材料の一つになってくるので、厳しい質問を受けることもあるかもしれませんが、どうか実直な対応を心がけてください。

また普段から、良好な関係を築いていくことで、良い情報を持ってきてくれたり、困ったときに担当者レベルでは親身になってくれる銀行員も多いでしょう。

ちなみに、銀行員に対して変にへり下ったり卑屈になったりする必要はありませんが、威圧的な態度をとったり、クレーマーまがいなことをすると、銀行の顧客データベースに定性情報として将来に渡って引き継がれ蓄積されていきますのでご注意ください。