持分会社の種類

持分会社はさらに、有限責任社員と無限責任社員の有無によって合同会社、合資会社、合名会社に分類されます。

合同会社…有限責任社員(間接有限責任)

合名会社…無限責任社員(無限責任)

合資会社…無限責任社員(無限責任)と有限責任社員(直接有限責任)

合同会社
 合同会社は全員が有限責任社員からなる持分会社です。そのため出資者は出資した原則、金額以上に責任を負うことはありません。また、株式会社に比べ設立費用も安いなどいくつかのメリットがあるため、小規模で法人化する際などには合同会社を選択する人が増えています。持分会社の約7万社のうち約5万社は合同会社であり持分会社の大半を占めていますが、設立された会社でみると全体の2%程度に過ぎません(ほとんどは株式会社)。一方で、最近は上場によって資金調達を行う必要のない上場企業の子会社や大手外資企業の日本法人などを合同会社で設立するケースも増えてきており、着実に数も知名度も増してきています。

 

合名会社、合資会社

 合名会社は全員が無限責任社員からなり、合資会社は無限責任社員と有限責任社員が各1名以上からなる持分会社です。無限責任社員は、会社債権者に対して会社財産を以ってしても債務を弁済しきれない場合に、個人としても無限に責任を負うことになります。それ故、資本金制度がなく実際に会社財産として金銭等を拠出する必要もありません(株式会社や合同会社は必ず拠出しなければならない)。しかしながら、決算公告の義務が無いことやトータルの設立費用が安いなどメリットもある反面、無限に責任を負うという点が大きなネックとなり、合名会社も合資会社もほとんど導入されていないのが現状です。

 

なお、株式会社の株主と合同会社の有限責任社員が間接有限責任、合資会社の有限責任社員が直接有限責任となっています。前者は、出資金を拠出さえしてしまえば個人的には会社債権者とは関係がない、つまりは出資額以上に負担を負うことはないという意味で間接有限責任と呼ばれています。一方、合資会社の場合は有限社員が出資額を実際に拠出してない場合でも無限責任社員に弁済を直接請求できるため、会社財産を引き当てにする必要がなく、それ故出資額の拠出が必須ではありません。この場合、有限責任社員は会社債権者に対して、実際の拠出額を控除した出資額を限度に直接的に責任を負うことになるため、直接有限責任と呼ばれています。