医師または歯科医師以外の者の理事長就任

医療法人の理事長に就任するには、原則として医師または歯科医師でなければなりません。これは、医学の知識に乏しい者が医療法人の運営を主体的に行うことは望ましくない場合があると考えられているためです。


ただし、医療機関を適切に運営する上で、非医師が理事長に就任することが必要な場合もあることから、以下のような一定の要件の下、非医師の理事長就任が認められます。

①理事長が死亡または重大な病気を患ったことにより職務の継続が不可能となった場合に、その子が医学部または歯学部在学中か、または卒業後臨床研修等を終えるまでの間、その配偶者等が理事長に就任しようとする場合
②以下の医療法人
・特定医療法人または社会医療法人
・地域医療支援病院を経営している医療法人
・公益財団法人日本医療機能評価機構が行う病院機能評価による認定を受けた医療機関を経営している医療法人
③②以外の医療法人については、候補者の経歴、理事会構成などを総合的に勘案し、適正かつ安定した法人運営を損なうおそれがないと認められる場合

③については抽象的であるため、以下の具体的な要件が規定されています。
・過去5年間にわたる法人運営が適正に行われており、かつ経営が安定していること
・候補者が当該医療法人の理事に3年以上就いており、かつ過去3年にわたる法人運営が適正に行われており、経営が安定していること
・理事全体の3分の2以上を医師または歯科医師が占めており、親族等特殊関係者の合計が理事全体の3分の1以下である医療法人で、過去2年にわたる法人運営が適正に行われており、経営が安定していること
・昭和61年6月27日以前に設立された医療法人については、
イ.同日において理事長であった者の死後に、親族である医師または歯科医師でない者が理事長に就任しようとする場合、または
ロ.理事長であった者の退任後に、理事かつ親族である医師または歯科医師でない者が理事長に就任しようとする場合

ただし、非医師の理事長就任のハードルは高く、認可まで長期間要することもあり、また申請自体を受け付けない自治体もあります。
よって、事前の確認をよく行ってからの申請をお勧めします。

※投稿記事に関するご質問・ご相談はお受けしておりませんので、ご了承下さい。