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銀行のビジネスモデルと融資③

貸倒引当金の計上について、さらに厄介なことに銀行の場合、銀行にとって絶対的存在であり逆らうことのできない金融庁が作成した金融検査マニュアルというものによって、貸出先を「正常先」、「要注意先」、「破綻懸念先」、「実質破綻先」、「破綻先」に区分(債務者区分)して管理するよう事細かく決められているのです。この債務者区分に応じて、例えば「正常先」は債権額(貸出残高)の0.2%、「要注意先」は20%、「実質懸念先」は100%のように(細かい数値は各銀行の倒産確率などに基づき異なります)引当金を積むことになっています。

 

つまり、貸出が本業の銀行にとって「正常先」が「要注意先」に、また「要注意先」が「破綻懸念先」といったように貸出先の債務者区分の格付けが下がることは、直ちに利益を減少させることに直結してしまうのです。

創業融資程度の金額であれば、銀行としてはそこまで分類による影響は少ないですが、例えば、最近、不正会計によって世間を騒がせていた某電機メーカーに対して各メガバンクは1000~2000億円程度の貸出を行っているため、東芝1社の分類が格下げされるだけで各銀行は数100億円の利益が吹っ飛んでしまいます。キャッシュアウトフロー(実際の現金流出)を伴わない費用であっても、決算書上はその分利益が減るため、最終的に返済されれば問題ないのですが、短期的に見た場合、こうした問題について経営陣も頭を抱えていることでしょう。

メガバンクを舞台にした人気ドラマ「半沢直樹」で銀行の職員と金融庁の検査官が支店の会議室で貸出先の分類をめぐって火花を散らすシーンがありましたが、これも上記の理由で銀行にとっては貸出債権の分類を下げられてしまうと、引当金を積んで費用計上しなければならなくなるからです。

ただし、ドラマのこのシーンは過剰演出です。実際に金融庁と面談した私の友人も、淡々と質問されただけだったと言っておりましたが、通常、金融庁の検査官がドラマのように銀行に対して、威圧的に敵意を丸出しにすることはありません。