クリニックの開業費

個人事業としてクリニックを開業する場合、開業前に開業準備のための様々な費用が発生します。これらの費用のうち、一定のものについては開業費として計上でき、任意の会計期間に償却することができます。
よって、可能な範囲でなるべく多くの費用を開業費として計上することにより、節税になります。

ここで開業費とは、開業準備のために特別に支出した費用であり、例えば開業前の以下のような費用が挙げられます。
・開業についての打ち合わせに関する費用
・スタッフの人件費
・セミナー参加費
・10万円未満の備品
・広告宣伝費
・旅費交通費
・家賃
・水道光熱費
なぜ節税になるかというと、開業費は上述の通りいつ償却してもよいためです。
つまり、クリニック経営が軌道に乗り、所得が多くなってきた段階で開業費を償却すれば、税率が高い会計期間に経費算入することで赤字または所得の少ない開業初年度に償却する場合と比較して税率差の分税金が減少するためです。
よって、なるべく多くの経費を開業費として計上すべきです。

なお、医療法人の場合も開業費の計上は認められますが、個人事業の場合よりも範囲が狭く、経常的な費用は含まれません。例えば、上記の例でいうと、人件費、家賃、水道光熱費は含まれないこととなります。