開業時の銀行借入れに関する留意点

開業時に銀行などの金融機関から借入れを行う際、複数の金融機関と交渉を行うことがありますが、どのような点に気を付ければよいのでしょうか。

第一に、複数の金融機関を比較する場合、利率の安さに目がいくことが多いようです。
金利は金融機関にとっての貸し倒れのリスクを表すものであり、リスクが高ければ金利が高くなり、リスクが低ければ金利も低くなります。よって、金利が低い借入は返済期間が短いことがあります。返済期間が短ければ、当然月々の返済額が多くなるため、開業後の資金繰りを悪化させる原因にもなります。「支出はなるべく遅く」が経営の基本であるため、利息を支払ってでも最初は元金据え置きとなるような借入れがよいと考えられます。
また、少額であれば金利が低くなりますが、必要な金額の資金を調達するために借入金の本数が多くなることがあります。よって、その分手続も多くなり、時間がとられることになります。

また、借入れにあたり連帯保証人が必要ないとしても、保証料がかかることがあります。保証料とは、保証人を置かない場合に保証会社に保証してもらうための費用です。この保証料が高いと、たとえ借入金の利率が低くても実質的な資金調達コストは高くなってしまうため、注意が必要です。

さらに、経営が軌道に乗り、資金が貯まってきた場合には借入金の繰上げ返済を考える先生も多いようですが、場合によっては多額のペナルティがかかることがあります。よって、繰り上げ返済するための条件については、初めに確認することをお勧めします。

以上、金融機関からの借入れにあたっては、実質的な資金調達コストを考えること、借入れ後の月々の返済が経営を圧迫しないか検討することが重要です。