医療スタッフの募集方法

クリニック開業にあたり、2~5人程度のスタッフを採用することが多いですが、優秀な人材の獲得にはどのクリニックも苦労しているようです。
一般的に、効果的な募集方法にはどのようなものがあるのでしょうか。
それぞれの特徴、メリット・デメリットを解説します。

1.縁故(親族以外)
以前の勤務医の時代に一緒に働いていた看護師・事務職員などを、開業するクリニックのスタッフとして引き抜く方法です。同じ職場にいたことがあるため、長所・短所をよく知っており、よきパートナーとなることが期待されます。給与などの待遇面でも優遇すれば定着率も高いといえます。また、コストはかかりません。
ただし、ドクターとその下で働く看護師等といった関係は継続するものの、「同僚」から「使用者・労働者」の関係に変化することになります。そのため、ドクター側の意識が変わり、厳しく接することになれば両者の間に溝ができることがあります。
さらに、以前の勤務先に知られてしまえばトラブルになる可能性もあり、慎重にならなければなりません。

2.親族
親族、特に配偶者をスタッフとして採用することは多いです。1同様、よく知った人物なので指示がしやすく、何より自身の生活もかかっていることから経営のこともよく考えてくれる傾向にあります。また、1同様コストはかかりません。
ただし、医療機関での勤務経験がない配偶者の場合は、戦力になるまでに時間がかかることがあり、また、他のスタッフとの関係がうまくいかないこともあります。
配偶者の関与については様々なケースがありますが、常勤並みに従事してもらうか、ほとんどクリニックには顔を出さずお金の管理や経理のみをやってもらうか、いずれかの方法が推奨されます。

3.求人広告(紙媒体)
縁故採用ができない場合は、公募を考えなければなりません。若い世代から年配の世代まで広く知られている媒体であれば効果は期待でき、大手企業が発行する雑誌から近隣の駅に置かれるフリーペーパーまで様々なものがあります。
ただし、一般的に他の募集手段よりも費用が高くなることが多く、最低でも10万円以上はかかります。自医院にとって、効果的な媒体の選択が望まれます。

4.求人広告(インターネット)
インターネットについては、医療系の求人に強いサイトなど様々なものがあり、求める職種にマッチした募集を行うことが可能です。また、最近では成功報酬型のサイトもあり、紙媒体に比べてコストが安いというメリットがあります。
ただし、サイトによっては閲覧数が少なく掲載してもほとんど応募がないものがあります。知り合いのドクターや開業パートナーからの情報などにより、閲覧の多いサイトの選択が必要です。

5.ハローワーク(公共職業安定所)
ハローワークは国が所管する職業紹介を行っている公的機関です。ハローワークでの求人票の掲載は無料で行うことができます。
ただし、ハローワークの求人票を見て応募してくる人の中には失業者も多く、能力面劣る可能性があります。
よって、主たる募集手段とは考えずに、他の媒体等と並行して利用することをお勧めします。