医療法人の剰余金配当と配当類似行為

医療法人は、剰余金(利益)を配当することができません。
これは、医療法上、医療法人は非営利的な性質を有するとされているためです。非営利性といっても、利益を追求することは禁止されておらず、法に抵触しない限り、営利法人と同様の営利行為は可能です。

また、いわゆる配当類似行為についても医療法人は行うことができません。配当類似行為とは、形式的には剰余金の配当ではないものの、実質的には利益配当と同様の経済的利益の供与があると認められる行為をいいます。
具体的には、以下に掲げられる行為を指します。
①正当な理由なく役員等へ金銭などを貸し付けること
②役員やMS法人などから資産を賃借する際、過大な賃借料を支払うこと
③医業収入に応じた定率の賃料を支払うこと
④役員等に対して過大な報酬または退職金を支払うこと
⑤役員等の債務の引き受け、債務保証

つまり、役員やMS法人などとの取引について、実質的な配当とされる取引については行うことができません。